奇跡  きせき












「おかえりなさい、ベルナールさん」


ふわりと微笑み、アンジェリークは彼の頬にキスをする。


「ただいま、アンジェ。…何かいいことでもあったのかい?」


どこか嬉しそうな様子のアンジェリーク。


その肩を抱き寄せながら、ベルナールは微笑む。








嬉しくて、嬉しくて。

そんな気持ちがとても強くて、つい顔に出てしまっていたらしい。

でも、隠し切れないほどにすごく嬉しくて…幸せでたまらないのだ。








「ふふ…わかりますか?」


「わかるよ。いつも君を見ているんだから…ね?」


ふわりと頬に口付けられ、思わず笑顔がこぼれる。








幸せすぎるほどに甘い時間。

仕事が忙しくて共に過ごす時間が短い分、
共に過ごせる時間を大切にしてくれる。

その気持ちがすごく伝わってくるのだ。








「それで…何があったのか、僕に教えてくれないのかな?」


肩を抱いていた腕をするりとアンジェリークの腰に回して抱き寄せると、
ベルナールはその顔を覗き込んだ。


吐息がかかるほど近くに抱き寄せられ、思わず頬が熱くなる。


早く…と急かすように、、ますます近づくベルナールの顔。


アンジェリークは少しだけ恥ずかしそうに笑みを見せた。








「その……赤ちゃんが、出来たんです」








言葉と同時に見開かれる瞳。


「本当に…?」


「…はい。今日、病院で見て頂いて……きゃっ」


不意にふわり身体が浮いて、アンジェリークは思わず変な声を上げてしまった。


「素晴らしいよ、アンジェ! パパとママになるなんて!」


「ベ、ベルナールさん…っ」


嬉しそうに目を輝かせるベルナール。


子供をあやすように抱き上げられ、ますます顔が赤くなってしまう。


「ああ…ごめん。すごく嬉しくて…」


苦笑をもらしながらアンジェリークをそっと降ろすと、
すぐにふわりと腕の中に閉じ込めた。


「…本当に、嬉しいんだ。
君が傍にいてくれるだけでも幸せなのに、その上家族が増えるなんて…」


「ベルナールさん…」


いつものように優しい笑顔。


けれど、その瞳はとても真剣で。


アンジェリークはふわりと微笑み、その背に腕を回した。


「私も、嬉しいです。すごく幸せです…」


「…これからは、もっともっと幸せになろう。
僕と、君と……生まれてくるこの子と一緒に」


「はい…」


ふわりと、唇を塞がれる。








それは、いつもよりもずっと甘くて、

幸せな時間。




















なんとなく、喜んでアンジェを抱き上げるベル兄が書きたかったのです(笑)
こうやって思わぬ喜びを表現しそうな感じw
やっぱり、ベルアンは幸せ創作が一番☆
そんな中で、その後のお話。













「この洋服も可愛いだろう? ほら、こっちも…」


小さな子供用の服を並べ、嬉しそうに微笑むベルナール。


「可愛いです。でも…」








まだ性別もわからないんですよ?



とは言ったものの、聞いている様子のないベルナール。

嬉しいようなちょっぴり寂しいような、そんな気持ちになる。








「もう、ベルナールさんたら…」


仕方のなさそうに小さくため息をつき、アンジェリークは笑みを浮かべた。













っていうことになりそうですな(笑)
でも、そんなベル兄が大好きなアンジェでしたw















↑お気に召しましたら、ポチっとお願いしますv